2018年から始まったつみたてNISA。以前、Youtubeで「つみたてNISAで利益を最大化するコツ」というテーマで生放送したところ、思いの外、好評でした。
 
とはいえ、動画で学ぶとなると、学習に時間がかかってしまうので、読みやすく記事に起こすことにします。これから「つみたてNISA」を使おうか悩んでいる方は、本記事の内容を役立てていただければ幸いです。
 

そもそも「つみたてNISA」って何?

お決まりではありますが、「つみたてNISA」のことを知らない方もいるかもしれません。本節では、つみたてNISAについて、ざっくり復習します。つみたてNISAのことをご存知の方は、読み飛ばして頂いて構いません。このまま、次節へと進んでください。
 
ぼく自身、なんどか「つみたてNISA」については記事で取り上げたことがあります。本記事と併せて、ご活用ください。
 
●つみたてNISAに関わる記事一覧 つみたてNISAとは、資産運用に使える貯蓄制度です。
 
つみたてNISAでは、年40万円までの投資を上限に、20年以内に得られた利益を非課税にすることができます。この制度を使うことで、資産運用を一定期間、非課税で行うことができます。
 
通常、株式投資などで得られた売買差益のうち、約20%が課税されます。たとえば、100万円の利益が出たら、20万円は税金で取られる計算です。
 
しかし、つみたてNISAを使うと、この課税が20年間なくなります。100万円の利益を出したら、そのまま100万円を受け取ることができます。20万円の税金を取られることはありません。(=20万円を得する!)
 
つみたてNISAに関する制度の説明としては、図説が豊富なこのページが参考になるかと思います。本記事と併せてご活用下さい。
 

つみたてNISAで利益を最大化する投資先の選び 

復習が終わったところで、本題へ移ります。これから、つみたてNISAで利益を最大化する投資先の選び方をご紹介します。単刀直入に、結論からお伝えします。投資信託を選ぶときには、下記の2点に注意しましょう。
 
  1. 株式に連動した投資信託を買うこと
  2. インデックス型の投資信託を買うこと
 

その1:株式に連動した投資信託を買う

つみたてNISAの利益を最大化する1つ目のコツは、「株式」に連動した投資信託を買うことです。つみたてNISAで買うことのできる投資信託は、投資先が大よそ2種類に分かれています。
 
1つ目は、「株式」に連動した投資信託です。この投資信託を買うと、幅広い企業の株式に、分散投資を行うことができます。
 
2つ目は、「バランス型」(または「ターゲット型」)と呼ばれる投資信託です。バランス型の投資信託は、株式のみでなく、国内外の債券などに分散投資できます。
 
これだけを聞くと、「幅広く分散している、バランス型の方が安全なのでは?」と思うかもしれません。しかし、こと「つみたてNISA」においては逆効果となる可能性が高いので、バランス型は選ばない方がよいと思います。
 
「株式」に連動した投信を選ぶのが得となる理由としては、「つみたてNISA」の性質によるものが大きいです。
 
そもそもつみたてNISAは「投資で得られた利益が非課税となる」制度です。ですから、「つみたてNISA」と低リスク低リターンとなる、「利益が出にくい商品(バランス型)」とは相性が悪いのです。
 
株式投資の平均的な利回りは、「年あたり金利+4~5%!」というのが、一般的な見解(1)です。しかし、バランス型の投信では、株式に加えて、利回りの低い債券にも資金を分散します。
 
それこそ、「株式1:債券1」に配分するようなバランス型投信を買った場合、利回りは半分の「金利+2~3%」まで目減りしてしまうでしょう。利益が半分になれば、節税効果も半減してしまいます。
 
以上から見ても、「バランス型投信」は、つみたてNISAに不向きな投資商品と言えるでしょう。
 
とはいえ、どうしても「株式に全額を投入するのは不安!」という方は、「つみたてNISAでは株式に連動した投信を買う!」のと同時に、「つみたてNISAの枠外で、債券に連動した投信も買ってバランスを取る!」のがベターだと言えるでしょう。こうすれば、すくなくとも、節税枠を無駄遣いする心配はなくなります。
 

その2:インデックス型の投資信託を買うこと 

つみたてNISAの利益を最大化する2つ目のコツは、「インデックス型」の投資信託を買うことです。
 
つみたてNISAに限らず、投資信託には「インデックス型(またはパッシブ型)」と、「アクティブ型」の2つの種類があります。
 
1つ目は「インデックス型(パッシブ型)と呼ばれる投資信託です。インデックス型の投資信託では、「運用成績を市場と連動させること」を目標に運用を行っています。機械的に投資先を選ぶ分、手数料を安く抑えることができます。
 
2つ目は、「アクティブ型」と呼ばれる投資信託です。アクティブ型の投資信託では、プロの機関投資家(ファンドマネージャー)が、投資先を選びます。プロを手間をかけて投資をプランするので、その分、多くの手数料がかかります。
 
普通に考えれば、「やっぱりプロに運用を任せた方が安心!」と思う方が多いでしょう。しかし、これも間違いである可能性が高いので、勘違いしないように注意しましょう。
 
プリンストン大学の名誉教授をつとめる経済学者、バートン・マルキール氏は、著書(2)の中で、「株式市場の未来は予測不可能なので、プロに運用を任せても意味が無い!」という旨を伝えています。
 
ほかにも、「アクティブ型の投資信託の過半数が、インデックス型の投信の成績に負けている!」という事例が報告されています。ですから、投資信託を選ぶときには、プロが運用してくれるかどうかは、関係ないと考えておきましょう。
 
同氏の別の記事(3)によると、「手数料(経費率)の安い投資信託」「売買回転率の低い投資信託」ほど、運用利回りが高い傾向が確認されたのだとか。投資信託を選ぶときには、ブランドやネームバリューに惑わされず、手数料や売買回転率に注目して選ぶように心がけましょう。
 

まとめ

本記事の方法を使って、「つみたてNISAを株式のインデックス型投資信託で運用した」場合、どれくらいの節税効果が期待できるのか?については、過去の記事で資産してあります。本記事と併せてご利用ください。
 
「つみたてNISAは節税できてお得!」なんて話をよく聞きますが、それもこれも、上手に資産運用ができるのが前提です。投資方針を間違ってしまえば、せっかくの節税制度も台無しですから、正しい使い方を覚えておきましょう。
 
 
●参考文献
  1. 論文:山口勝業, 2016, "株式リスクプレミアムの時系列変動の推計 --日米市場での62年間の実証分析", 証券経済研究, 93, pp. 103-111
  2. 書籍:バートン・マルキール, 2016, 『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資不滅の心理 原著第11版』, 日本経済新聞出版社
  3. 記事:Burton G. Malkiel, 2004, "Can Predictable Patterns in Market Returns be Exploited Using Real Money?", The Journal of Portfolio Management 30th Anniversary Issure, 30(5), pp. 131-141
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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